Optimization

“FABRICATED (Hod Lipson)”より

1. 無限に複雑なものが作れる。
従来のものづくりでは、物体の形状が複雑になるほど、作るのにコストがかかる。だが3Dプリンターの場合、複雑なものも単純なものと変わらぬコストでできる。
装飾の多い複雑なカタチをこしらえるのに、単純なブロックをプリントする以上の時間やコストを必要としないのだ。無限に複雑なものができるようになると、
従来の価格決定のモデルが崩れ、ものづくりのコストの計算法も変わってしまうだろう。

2. 無限のバラエティ
一台の3Dプリンターで、多様なかたちがつくれる。優れた職人と同じように、3Dプリンターもその都度違うかたちを製造できるのだ。従来の製造機械は、
これよりはるかに融通が利かなくて、限られた範囲の形状でしかものがつくれない。3Dプリンティングは、人間の機械工の再訓練や工場の設備更新に
伴う固定費をなくせる。3Dプリンターが1台あれば、デジタルな設計図とつくるための素材を変えるだけでいいのだ。

3. 組み立てが要らない
3Dプリンティングでは、部品が組みあがった状態で出力される。大量生産は、主要素として組み立てラインを必要とするが、現代の工場では、
機械がそっくり同じものを量産し、その後ロボットや人間の労働者が、ときにはまったく別の大陸で組み立てを行う。製品に含まれる部品が多いほど、
組み立てに時間がかかり、作るコストも高くなる。物体を積層してつくることで、3Dプリンターはドアとそれに付いた蝶番とを一度にプリントでき、
組み立てが要らなくなる。組み立てが減ると、サプライチェーンが短くなり、労働力や物流に要する金を節約できる。サプライチェーンが短くなると、
環境汚染も少なくなる。

4. リードタイムがゼロ
3Dプリンターの場合、必要なものをオンデマンドでプリントできる。その場で製造できるようになると、企業は在庫を抱える必要がなくなる。
3Dプリンターによって、企業が顧客の注文に応じ、オンデマンドで特集な―つまりカスタムメイドの―製品が作れるようになると、新しいタイプの
ビジネスサービスが可能となる。リードタイムがゼロになり、プリントする商品が必要な時に必要な場所の近くで製造されたら、長距離輸送のコストを
極限まで減らせるだろう。

5. デザインの幅が無限
従来の製造技術とすぐれた職人では、限られたレパートリーの形状しかつくれない。人が形をつくる能力は利用できる道具の制約を受ける。
たとえば、従来の木工旋盤では丸いものしかつくれない。回転工具で切削するフライス盤では、それで削れる部品しかつくれない。成型機では、
型に注入して固めて取り出せる形状しかつくれない。3Dプリンターでは、こうした障壁をなくし、デザインの幅を新たに広げてくれる。
プリンターで、今までは自然界でしかできない形状がつくりだせるようになるのだ。

6. 技能が無くても製造できる
従来の職人は、必要な技能を身に着けるために何年も見習いとして訓練を積む。大量生産と、コンピューターが指示する製造機械は、
技能による生産の必要を減らしてくれる。しかし従来の製造機械はまだ、調整や校正に技能を持つエキスパートを必要とする。3Dプリンターは、
その指示の大半をデザインファイルから受ける。従来の機械と同じ程度に複雑な物体をつくるのに、3Dプリンターは射出成型機ほどオペレーターの
技能を必要としない。技能の要らないものづくりは、新たなビジネスモデルを切り開き、辺境な場所や極端な環境にいる人々に新しい生産方法を
提供することができる。

7.コンパクトでポータブルな製造設備
生産スぺ―スの体積当たりで、3Dプリンターは従来の製造機械より高い製造能力を持っている。実際、射出成型機でつくれるのは、プリントヘッドと
同じくらいのサイズのものだが、3Dプリンターならプリント装置を自由に動かせれば、プリンター本体より大きな物体もつくれる。単位体積あたりの
生産能力が高いために、3Dプリンターは設備面積が小さくて済み、家庭やオフィスで使うのにうってつけといえる。

8. ゴミになる副産物が少ない
金属を出力する3Dプリンターは、従来の金属加工技術に比べ、ゴミになる副産物を出さない。金属の機械加工はきわめて無駄が多い。
もとの金属の90%が削られて工場の床に落とされれるからだ。3Dプリンティングのほうが、金属のものづくりを無駄なくできるのである。

9. 素材を無限に混ぜられる
異なる素材を組み合わせてひとつの製品をつくるのは、今日の製造機械では難しい。従来の製造機械は、物を彫ったり、切ったり、型に流し込んだり
して形をつくりだすので、異なる素材を簡単にはブレンドできない。マルチ素材の3Dプリンティングが進歩すると、異なる素材を混ぜ合わせる能力が
手に入る。これまでできなかった素材のブレンドによって、新しい特性や有用な振る舞いを示す、従来よりはるかに多く、ほとんど調べられていない
配合が提供されるのである。

10. 物理的に複製が正確
デジタル形式の音楽ファイルは、音質をまったく落とさずに果てしなくコピーできる。将来、3Dプリンティングによって、このデジタルな正確さが
現実の物体の世界まで押し広げられるだろう。スキャン技術と3Dプリンティングが組み合わさって、現実世界とデジタル世界とのあいだで高精度の
形態移行が可能となる。現実の物体をスキャンし、編集し、複製して、正確なレプリカとつくったり、元の物体を改良したりするようになるのだ。

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FEM  Finite Element Method/ 有限要素法
1. Stress 応力
2. Strain  張り・引っ張り
3. Displacement 基準点からのずれ 変位

(1) Simulation
(2) Optimization (Form Generation)

OPTISHAPE

課題
Optishapeを用いて、ある設定した「機能」に対して「最適な”美しい”形状」を生成してください(形状そのものにも満足がいくまで、何度も設定や拘束条件を調整すること)