都市農業とは

住宅街を歩いていて、ひと区画だけ緑で溢れていたり、畑として利用されている土地を見たことはありませんか?

そのような市街地の一画や大都市近郊にて行われる農業を「都市農業(=Urban Farming)」といいます。

また、都市近郊での酪農・畜産やビルの屋上で養蜂を行うこともUrban Farmingに含まれます。

商業ビルの屋上やテラスで野菜やハーブが育てられたり、カフェの窓付近で棚型のプランターを用いて、提供する料理に使用する野菜を育てたりと手法は様々ですが、実はあなたの身の回りでもUrban Farmingは多くの場所で行われています。


都市農業の役割・魅力

日本における都市農業の役割は6つあります。



1. 新鮮で安全な農産物の供給

2. 身近な農業体験・交流活動の場の提供

3. 災害時の防災空間の確保

4. やすらぎや潤いをもたらす緑地空間の提供

5. 国土、環境の保全

6. 都市住民の農業への理解の醸成

「"都市農業"」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』より

私たちが注目している都市農業の魅力は、安全な食糧生産だけではなく、市民農園という形で地域住民の繋がりの場となれる側面もあることです。実際に、小学校の近くにある宮崎コミュニティガーデン(川崎市)ではワークショップ用スペースが農園内に併設してあり、年に何度か地域の大人が子どもたちに向けて体験授業を行っています。このようなイベントを通して、地域住民のコミュニティ強化と共に、より農業への関心を高めて行くことも可能になりつつあります。


なぜ都市農業を行うのか



私たちの社会はモノやサービスが溢れ、必要なモノはすべてお金を支払うことですぐに手に入る時代です。 すべてを手に入れられる世界で私たちはどれくらい”豊かさ”を感じているでしょうか。



「Urban Farming」は、お金主体のモノやサービスにコントロールされる息苦しい時代から、 ”自分の必要なものを自分でつくり、直しながら使い続けること”や ”自分が食べる分だけ食糧をつくり、消費する”という自分主体のライフスタイルがあることを意識するきっかけとなります。 「FAB」も適量生産や修理の幅を拡げるという面で、自然体な生き方の選択肢に繋がる重要な役割を担っているため、実はとても近い存在なのです。



本当の豊かさは、お金やモノからではなく私たち自身がつくりだすものです。 食糧であれ、身の回りのものであれ、自分で自分のものを「つくる」ライフスタイルの可能性を私たちは探って行きます。