Urban Fabrication Lab

2005年に発足した田中浩也研究室は、デジタル・ファブリケーション(Fab)の技術と表現を 「デザイン工学 (デザイン・エンジニアリング)」の立場から開拓する研究室です。これまでに多数のスタートアップや実践者を輩出してきました。

Fabは2010年代を通して、既存の特定分野(建築、ファッション、食、プロダクト、工芸、福祉等)で社会応用されましたが、本来のFabのポテンシャルは、既存の領域のあいだを横断し、分野の壁を溶かすものづくりにあります。領域と領域をつなげる「バウンダリー・オブジェクト」と呼ばれる概念を物質化するための、真の意味でのFabは、いまだ十分に体系化・方法論化されていません。

2020年代はこの知的関心を「新種の都市エレメントの開発・設計」に向けることとしました。均質化された都市空間に新たな方法で介入するために、都市の複数の廃棄物を組み合わせること(素材レベル)、複数の機能や使い方を同居させること(ものレベル)、複数のコミュニティや人間以外も含んだ「種」どうしをつなぎ合わせること(社会・生態系レベル)等を組み合わせ、地域性をも内包した未来預言的な新たなエレメントを創造する方法について研究します。
(2023.07.17)

田中浩也研究室・研究領域とテーマ