6/23 #9 Molding & Casting、Composites(前半)

みなさん、こんにちは、田中浩也です。

今日はINTROの火曜日であるにもかかわらず、その場にいることができず、ごめんなさい。
今日は、あさのくんが、私の代わりをします。

ここに書く通りに、やってください。

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まずは、いつもどおり、今週の課題をシェアしましょう。今週の課題は「アクチュエーション」でした。
復習ですが、「アクチュエーション」は、3つの部分からなるのでした。

1.  プログラミング部分 (Arduinoに書き込みます)
2.  電子回路部分 (Arduinoにモーターや、適切な抵抗、適切なモータドライバー等をつなぎます)
3.  機械(機構)部分 (モーターに、ギアや、カム、ベアリング、シャフトなど、機械のパーツをつなぎます。これらの部品は、レーザーカッターや3Dプリンタでつくることもできます)

この3つを組み合わせて、それぞれ、イメージしている「動き」を実現させます。とはいえ、モーターは種類も多く、DCモーター、サーボモーター、ステッピングモーターとはいっても、言うことを聞いてくれなかった人、苦労している人も多いはずです。しかし、ものが、単なる「静止した」ものではなく、「動き始める」ものになった瞬間の感動は、格別のものです。人は「動いている」ものに、生命を感じるという性質があります。そういった意味で、やはりモーターは大切なのです。

それでは、各自の成果を見てみましょう。

ログ
安達 綾田 大庭 深井 木場
岡本 佐藤 福田 守矢

~発表会~

どの人もとても面白かったですね。さてここで、もうひとつお詫びがあります。

実は「本家」のHow to Make Almost Anythingでは、この次にもう1回、「通信・ネットワーク」という回が用意されています。 本当は、今週までにやった「1.  プログラミング部分、2.  電子回路部分、3.  機械(機構)部分」の3パートに、「4. 通信・ネットワーク部分」が追加されて、「機能」の部が完成なのです。

この回を今年は実施する週をつくることがどうしてもできませんでした(実は、毎年できていません)。
ですので、この部分は自習ということにしますが、概要だけを伝えておきます。

現在、プログラミングというものが、いわゆるArduinoに書き込むような(埋め込みコンピューティング)とか、PCで動かす(ローカルサイド)だけではなくて、ウェブ側の「ネットワーク」側にもあることを想像できない人は、もういないでしょう。

先週の守屋君の発表のように、「扉」の開け閉めした回数を、ウェブサイトに送信して、そこから確認できる、なんておもしろいですよね。また、私もかつて、植物のセンサーの情報を、Twitterに流していました。
増井研では、サーファーの人が、江の島の海の波の高さをセンサーで図って、それをウェブ上に流したりもしています。こういう、「離れた場所と何かをつなぐ」ことには、まだまだ想像力の余地があるでしょう。
それも、自分でセンサーをつくるところからやって、そのセンサーをどこかに設置すれば、喜びは格別です。単にセンサデータを集めるより、センサつくって取り付けるところからやったほうが何倍も楽しい。

また、現代社会では、あらゆる端末やコンピュータが「ネットワーク」につながれています。ネットワークを理解することで、より面白いシステムがつくれることは言うまでもないことです。

そのために勉強してほしいのが、PHPや、Ruby、Pythonといった「サーバーサイドプログラミング」です。
守屋君はぜひこのへんやっておくと広がると思うし、ほかの人も是非やってみてください。そして、Arduinoとサーバーをつないで、是非面白いものをつくる人が、もっともっと現れてほしいです。

「ネットワーク」というと、ウェブと別にもうひとつ、「(近距離)無線通信」があります。ケーブルばっかりだと、長い距離を繋げるのが大変だし、からまるし、大変ですよね。だから、室内レベルくらいだと、無線で飛ばした方がいい。ラジコンとかもそうです。木場君はもう最終制作にこの「無線通信」の要素を想定していると思います。こんな、ArduinoとArduinoをつなぐ、あるいはArduinoとPCをつなぐ、というときに、
一番使われるのがXBeeというモジュールです。

http://mag.switch-science.com/2012/08/01/startup_xbee_zb/

XBeeは、Arduinoとつなげて使うので、良くネット上にも製作日記が落ちています。
また、こんな良書もあります。

以上が「ネットワーク」の概要です。

サーバサイドプログラミング(PHP, Ruby, Python)、無線通信(XBee)、どんどん自分で掘り進めてください!

 

というわけで、「エンジニアリング編」のまとめなんですけど、

今年のIntro to FABLABを、「ファンタジー(空想)をファブリケーション(実現化)する」をテーマとしている理由は、このコースの最終結果を、たんなる「プロダクト・デザイン(小物づくり)」にしたくないからです(ハッキリ。)


最終制作には、ITやエレクトロニクスの知識も反映してください。

造形側 (3Dプリンタ、スキャナ、レーザー、ミシン、CNCなどの工作機械)のスキルと、機能側 (情報、電子、機械、ネットワーク)のスキル、両方の想像力がバランス良く混ざり合った、
「新しい領域の何か」(まだカテゴリの名前がない何か)をつくってください。

先週の、渡辺萌果先輩の、「荷物の量によって膨らむカバン」なんて、すごく面白かったですよね!Introらしい作品ってああいうものだと思っています。

多少荒削りであっても、「そつなく綺麗にまとめた」というものよりも、「意欲的に挑戦した」ことを評価する研究室でありたいと思います。「そつなく綺麗にまとめる」のは大人になっても学べますが、リスクをとってチャレンジするのは、大学生のうちしかできないからです。

大学生のうちから「なんとなく、そつなく綺麗にまとめる」ことばかり覚えてしまうと、「新しいことにチャレンジする」マインドが身に付かないので。

「ふしぎなものづくり」を実践しましょう! スゴイ実験とヤバイ実装を心がけましょう!

では、ここで前半が終りです。みなさん、トイレに行って、5分から10分ほど、休憩をしてください。

質問があれば、あさの先輩とこのみ先輩に、尋ねましょう。