Epilog レーザーカッター使用マニュアル / 注意事項

*絶対にしてはいけないこと!!!!!

塩ビの加工は、有害物質が発生するため絶対にしないでください!!
アクリルと間違えて加工する場合があり、身体や機材に多大な影響を及ぼし、
場合によっては、死亡に至る場合もあります。

使用中、煙いなとちょっとでも思ったら直ちにストップしてください!!!!

考えられる原因:レーザーカッターのフィルターもしくは集じん機のフィルターの詰まり

解決方法:フィルターの掃除と交換をしてください

煙がこもったまま使用を続けると、火事や故障を引き起こす可能性があります。

そうならなかった場合でも、煙によってレンズに負担が蓄積し、レーザーカッターの寿命が縮まります。

なにかあったらすぐに止めましょう。

こまめにレンズ、フィルター、ゴミ受け皿のお掃除を徹底しましょう。

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*レーザーカッターを使うときに必要なもの
1. レーザー加工機
2. 集塵機: 煙を吸い込むもの
3. コンプレッサー: レーザー作業で発火しないよう空気を送り出す装置
4. パソコン(Windows): ソフト:Adobe Illustrator、CorelDRAW

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【STEP01】

*レーザーカッター用データの作り方
イラレで材料の大きさを測ってアートボードを作る。
もしくは、最大加工面積をアートボードに指定する。

「カット」と「彫刻」の区別は、線の太さの違いで指定する。カットは【0.001pt】、彫刻は【1pt】で!

【STEP02】

データ作成チェックリスト:
□白黒のデータでつくること
□白黒の階調に応じて彫られるため。
□ページからはみださないこと
□aiデータは、1枚のレイヤーで完結させる
□文字は必ずアウトライン化!
*(上のデータだけ読み取られます)IllustratorからCorelDRAWにインポートする場合、バージョン指定でコツがいる。CS4以降のデータはコーレルでは読み取れないので、必ず【CS】バージョンで保存すること。

CorelDRAW > プリント > Epilog Engraver Win32(bit) のプロパティ画面。

ここで様々なパラメータを指定する。*パラメーターを検証していくこと

FabLabKamakuraのパラメーター


【STEP03】

材料サイズ:
最大加工面積と対応させること。彫刻設定
スピード:
速い=照射される時間が短い=浅く彫れる
パワー:
出力の強さ。
出力の方向: 通常は上から下でよい。塵の吸い込まれる向きを考えると、下から上の方が仕上がりはきれい。
周波数:
1秒に照射されるレーザー。材料によって周波数を変える必要がある。*表を参照
イメージディザリング: 要するにエフェクト。写真彫刻のときに使う。
彫刻の方向:
インサイドアウト: 外から切ると内側がずれるから内側から加工する。
オプティマイズ:
どの順番で加工するか。彫刻→カットの順番は絶対。

 

【STEP04】

*プロパティ設定
<基本>

・解像度: 600dpiでよい (1200dpiはより深く彫れる)
・マニュアルのときはオートフォーカスのチェックマークを外す
・センター彫刻: コーレルやWordは選択した範囲だけをセンター彫刻することができる。
・赤いポインタで原点の位置を変えることができる
・センター彫刻のとき加工機の画面に※が表示される

【STEP05】

*焦点を合わせる方法
1. オートフォーカス:
平面のものの加工に使う。はかる場所は、□なら左上、△なら頂点、○なら頂上部ではかる。角ギリギリだとずれる可能性があるので少しマージンをとると良い。自動でテーブル(Z軸)が上がる。

2. マニュアルフォーカス: 基本はこちらを使用する
平面じゃないものを加工したいときや布など柔らかいものを加工したいときに使う。付属の三角形のやつをフランジャーのところにひっかけて、三角形の角が材料に触れたところで焦点を合わせ加工する。オートフォーカスだと時間がかかるので同じものを何度もやるときはマニュアルのほうが速く済む。

【STEP06】

いよいよカット!!

*CorelDRAWにインポートしたら、カット線の太さは極細線を選択し、ファイル>プリント>プレビューを確認しデータを送信

☆ジョブをカッターへ送信した際に、重いデータを送ると時間がかかる。

【重要】レーザー加工機にデータを送信している際は、緑のボタンが点滅している最中に絶対にgoボタンは押さないこと!! ボタンを押すと故障します。

【重要】レーザー加工を行なう際は、必ず集塵機、コンプレッサーをつける!

※加工中に火が出た場合の対処法

A. 扉を開ける: レーザーの照射が止まります(ヘッダは動く)
B. STOPボタンを押す
C. 主電源を切る
のどれかを速やかに行うこと。

【STEP07】

カットが終了後、コンプレッサを止め材料を取り出す。

以上


<アドバンス>

*テーブルの付け方
ハニカムテーブル: 格子状。枠がない方が表。カットするときに使う。
フラットテーブル: テカテカしている方が表。彫刻するとき、薄いものを加工するときに使う。
上部左右ではさむ。ちゃんとはさまないでオートフォーカスすると壊れるので忘れない事。

☆フランジャーがハニカムにつっこんだ場合の対処法:
落ち着いて主電源を切って、テーブルの下にある手前のゴムのベルトを手動で右に動かしてテーブルを下げましょう。原因としては、データと材料の位置がずれると発生するようです。


正面の扉を開けて下の方にあるZ軸の手動制御用ベルト。


彫刻タイプ: 基本ベーシック。レリーフのときはレリーフ3

スタンプのとき、 ミラーをつけると鏡文字に

画面右側でパラメータをプリセット的に保存・管理できる。材料別に指定すると便利!

<色の選択>

RGBパラメータ: 色を分けることで色別に加工してくれる。色別にパラメータを変えることができる。

レーザーカッターで制作されたエングレービング。

*ロータリー(周辺機器)の使い方
1. 主電源を消す。
2. ゴミ受けとテーブル(Z軸)をとる。
3. コネクタを真ん中の茶色いところにしっかりと差し込む。
4. 本体の先端と後端を差し込み、セット完了。
☆データは円の展開図として長方形でつくる。
☆水平器を使うのも良い。

ロータリーにポットを設置した図

ロータリーを使って印字されたポット


《裏技》(※非推奨)

1. 扉は磁石のセンサーで感知しているため、磁石をつけると扉を開けたまま長いものの加工が可能。そのときに、レーザーの照射中は扉の中は絶対に覗かないこと!レーザー光が何かに反射して目に入ると失明します。

2. 彫刻をしている間に加工機の画面横ボタンでパワー調節ができる。

集塵機/身体に負荷をかける加工作業:

ヘビー級:

木材の長時間に渡る彫刻

>>> ヤニがフィルターに付着し、フィルターの消耗を早めます

*対処法:レーザー加工をする場所の吸い込み口にフィルターをかける

*ヤニ専用のフィルターを使用する

アクリルの彫刻/切断
>> 換気に気をつけ、長時間に及ぶ場合身体負荷が大きい : マスクの着用

適切なパラメーターの数値を設定しないと、アクリルが溶けます

*1cm以上の厚みがあるアクリルの切断はよく考えること

MDFの彫刻 / 切断

>>換気に気をつけ、長時間に及ぶ場合身体負荷が大きい : マスクの着用

ミドル級:

革の加工は、独特の臭いがフィルターに付着して取れません

*対処法:加工が終了しても集塵機を回しておく

メンテナンス:大嶋くんのページを参考に

終了時:レンズのクリーニング

フィルターの交換:煙が機械にこもる場合

変な機械音:潤滑油の欠如/クリーニングが必要/それでも変な音がする場合は連絡

見た事も無い動き:潤滑油の欠如/クリーニングが必要/それでも変な音がする場合は連絡
2015.8.25
レーザーの発振管が限界に達したのでLDFの方に修理に来てもらいました。
修理内容について
その際、Epilogレーザーのメンテナンス方法について、
改めて伺った内容をFabbleにまとめました。(廣多)