月別アーカイブ: 2011年1月

genomeofshape

Form Genome


Form Genome

限られた種類の形状モジュール(=部分)の組み合わせでつくられた立体(=全体)は画一的になり、また一方すべてが異なるモジュール(=部分)でひとつの立体(=全体)を実現するとすれば再利用が不可能になってしまう、というパラドックスがあります。この研究で探索しているのは、その”あいだ”の可能性です。「いくつか」のモジュール(=部分)で十分に多様性のある「いくつか」の立体(=全体)を実現できるという、必要十分なポイントを発見することはできないでしょうか?

たとえば人間のDNAは4種類(AGCT)だけの組み合わせで構成され、またアミノ酸は20種類だけの組み合わせで構成されているように、この研究は、多様な「かたち(立体:Form)」を構成する最小限の「新しい遺伝子形」を発見し定義する試みです。

ただ、60年代~70年代に流行した、対称性や反復性を生み出す多面体や半正多面体などの純粋幾何図形を用いるのではなく、複雑な環境に適応することもできるBio-Geometricなデザインの可能性を考慮に入れ、不定形な形状も生み出せる想定で進めています。

最初の試行として、1: √2: 2の長さだけから構成される3角形(全:9通り)を用意し、それらを組み合わせてつくられる立体を探索しています。

9種類の多角形だけを組み合わせると、有限個の多面体(各面が異なる形状を持った正四面体)が現れました。
これらを繋げていくと、結晶のような構造体が現れることになるでしょう。


Photo by Jon Zander

(“Grotto” by Aranda Lasch)

http://www.pastemagazine.com/blogs/ctrl-v/2008/10/crystal-bands-are-the-new-animal-bands.html
http://blogs.miaminewtimes.com/cultist/2008/09/arandalasch_chosen_for_design.php
http://www.guallart.com/projects/ocean-plaza

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Travelling ModuTree


Modular Tree @ Keio SFC (2010 Summer)


Modular Tree as something in-between Furniture (Coat hanger) and Sculpture


Modular Tree @ Congo (2010 Summer)


Modular Tree @ Boston Children’s Museum (2011 Spring)

すべてカタチの異なる1808個のピースを生成し、樹木状の立体物を構成するワークショップ。
ピースの大きさは、最大のものでも段ボール箱あるいはスーツケースに梱包できるように。最小のものでも、子供が口に入れられないように配慮して決定してある。

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Weaving Papers- Study

Material Selection or Material Design?

与えられた有限のカタログの中から素材を「選択」する、というものづくりから、そろそろ脱してもよい頃かもしれません。
新しい「素材」をデザインする可能性。

from MicroScopic Structure to MacroScopic Structure?

分子が組み合わさってひとつの材料が生まれる「ナノ」「ミクロ」の微視的な材料開発もあれば、
「センチ」「インチ」単位の材料を組み合わせ・編み合わせて構成する巨視的な材料開発もあるでしょう。

ここで試しているのは、編み合わせた紙の「曲がり具合」です。
ハニカムペーパーをより自由な造形の世界に解き放つ。

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MathFab

さまざまな数値解析手法と立体造形手法の統合を図る研究プロジェクト。
田中浩也准教授が、構造解析ソフトCaliculixをもとに独自に開発した進化的造形プログラムを叩き台とし、レーザーカッターや3次元プリンタといったデジタルファブリケーション技術との統合を進めている。大嶋泰介は、モジュラー構造物におけるプレストレスト加工や材料の弾性や
靭性などの物質特性までをも考慮した統合的デザイン支援システムを構想している。

congo

D-Lab*FabLab

2010年に多治見智高君が実施したコンゴ小学校アカデックスへの「オープン・(リ)ソース・ファニチャー」移設プロジェクトは、途上国へ向けたデジタルファブリケーション研究の先駆けとなりました。

もともと「オープン・(リ)ソース・ファニチャー」は、輸送可能性を重視して分解・組立式で設計し、ダンボールかスーツケースにすべて部品を収納できるよう考慮して制作していました。その機動性を活かしたかたちで、このプロジェクトが実現したといえます。

※コンゴ小学校アカデックスプロジェクトは、慶應大学湘南藤沢キャンパスの長谷部庸子研究室+松原弘典研究室のプロジェクトです。

今後も研究開発したプロダクトやシステムの途上国への移設展開には力を入れていく予定です。2011年には、ペルー(リマ)での合宿を予定しています。

Fab People 2011


田中浩也 (Hiroya Tanaka, Ph.D)
慶應義塾大学環境情報学部准教授、ファブラボジャパンファウンダー、博士(工学)

大嶋泰介 (Taisuke Ohshima)
慶應義塾大学環境情報学部

唐木仁美 (Hitomi Karaki)
慶應義塾大学総合政策学部

Fab People 2010


田中浩也(Hiroya Tanaka, Ph.D)
慶應義塾大学環境情報学部准教授、ファブラボジャパンファウンダー、博士(工学)

岩岡孝太郎  (Kotaro Iwaoka)
慶應義塾大学政策メディア研究科 修士課程

平本知樹 (Tomoki Hiramoto)
慶應義塾大学政策メディア研究科 修士課程

大嶋泰介(Taisuke Ohshima)
慶應義塾大学環境情報学部

多治見智高(Tomotaka Tajimi)
慶應義塾大学総合政策学部

唐木仁美(Hitomi Karaki)
慶應義塾大学総合政策学部

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Weaving Papers

Weaving Papers “アミガミ”とは…
綿や羊毛から糸を紡いで服を編むように、紙から刻みの入った帯を紡ぎ出し、それらを編むことで立体構造物をつくりだす手法。身のまわりの小物や家具をカッティングマシン1台でつくることができ、編み方や紙の種類を変えることで身体スケールを越えるものにまで拡張できる可能性がある。編み上げた構造体は少しの力で変形するほど柔軟で、折りたたんで運んだり、再度展開することができる。使用された後はまた帯(糸)にまで解き、次の人工物のリソースともなる(岩岡孝太郎+田中浩也)

Weaving Papers is a research project done by Kotaro Iwaoka (directed by Prof. Hiroya Tanaka)

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Fab Chair

“FabChair”は、デジタルファブリケーション技術とパラメトリックデザイン手法を連携させた、椅子のカスタマイゼーションシステムである。独自開発したデバイスを操作することで、初心者でもさまざまな「揺れ」を実現するロッキングチェアを作り出すことができる。それらが並んで揺れるとまるで群としての「椅子族」のように見える。

Grasshopper Code (.XML file)

Fab Chair  is a research project done by Tomoki Hiramoto (directed by Prof. Hiroya Tanaka).