Digital Fabrication

ちょうど、MIT School of Architectureのマスターコースで、「レーザーカッターと紙をつかったモジュラー構造物」の制作課題が佳境を迎えていました(学科のオープンハウスがあったのでした)。写真でいくつか紹介します。


アラミド紙。この紙だと構造体として自律します。









少しずつモジュールの「太さ」が変わっていき、構造体の密度が変化していくモデルです。
パラメトリックデザインとスペース・ストラクチャーの融合。こういうのはデジタルファブリケーション技術が拓いた領域です。













上記のように、さまざまな紙構造物が展開されていましたが、面白いのは、「2次元平面を組み立て(もしくは折り)て3次元のモジュールをつくること」「3次元のモジュールをつなぎあわせて3次元の構造物をつくること」の2つが同居していることです。

2D Plane -> 3D Module -> 3D Structure

ただ、この課題では、ここで作られた紙構造物が、何かのモデル(模型)なのか、それ自体がすでに実用に耐えるオブジェクト(構造物・人工物)として構想されているのか、あいまいな面が見られました。

ペーパーモデルなのか、ペーパーストラクチャーなのか?

もしもこれがオブジェクト(構造物・人工物)だとするならば、「紙」の材料特性を最大限デザインに取り込まなくてはいけません・・・・が、どうだろう???

この点、今、SFCの岩岡君・大嶋君らと構想している「物性×コンピュテーショナル・ジオメトリー」の研究のほうが一歩先を見ている気がしています。コンピュテーショナル・デザイン(造形)とデジタルファブリケーション(加工)は繋がってきましたが、最後のミッシングリンクはマテリアリティ(物性)なのです。これがないと、本当の意味で「もの」のつくりかたを根底から変えることにはならない、と確信するようになりました。






物性×コンピューティング、モデルかオブジェクトか?

Achim Menges, Larry Sass….

http://icd.uni-stuttgart.de/?cat=30&paged=2
http://thegeometryofbending.blogspot.com/
http://icd.uni-stuttgart.de/?p=3763
http://www.boulterplywood.com/

They made the resource-database (collection) in advance of design, and stock them in the format of 3D data
through 3D-Scanning techniques. After that, they applied computational methods to organize and arrange those resources.

One of other approaches is structural analysis combined analog way and computational way.

向かうべき研究の方向性は「物性×コンピュテーション」
大嶋君の物性力学の研究も、岩岡君のシェル編紙の研究も面白い!

Computational “Bricolage”

オープンかつグローバルに流通し派生する「図面(データ)」
ローカルにしか採れない「素材(マテリアル)」
その2つを繋ぐのが「機械(ツール)」、と捉えることができる。

なので一番面白いのは「機械(ツール)」開発なのかもしれない。
「素材(マテリアル)」「加工法」から発想された新しい機械をつくる。
FabLab2.0= How to make something that makes almost anything.
である。

本日MediaLabで、Qusmoの澤井さんと議論していたときに思いついた枠組み。


Next Fab

Origami (Foldable, Movable) Furniture Ver 0.6- Fabricated


ShopBotでの切り出しが終わりました。今回はバーチ板(0.5インチ厚)の4×8板を使用しています。このあと組み立て+ヒンジの取り付けです。さて、こうやってオリガミ家具を試作(あくまでまだプロトタイプ)をつくっているのには、いくつかのコンテクストが重層的になっているのですが・・・

[1] Practical Use
この家具はMITの現在の研究室(House_n)で本当に使用されることが想定されています。Prof. Kent Larsonの最初のRequirementは「3~4人の学生が使えるワークスペース/プロジェクターやグリーンボードでのミーティングもできるような/緩やかなゾーニング/本棚や研究紹介用の展示台も」というものでした。しかしその後、MITで何ヶ月か過ごすうちに、いくつかこの空間の実際の使われ方が分かってきました(リサーチフェーズ)。
―大学院生は自分の本や資料を研究室に置くが、学部生は置かない(ラップトップを持ってきて仕事をして帰るだけ)
―ソフトウェア・エンジニアリングの学生はPCで作業中全く運動をしないということが問題となっている(エクササイズ)
―他者が何の作業をしているのか観測不可能(活動のオブザーバビリティの低下)
―思ったよりも空間が狭く、すべての機能を入れられない
―視線を妨げない
等々です。

そこで、狭い空間の有効活用+エクササイズの促進+活動内容を自ら「表現」する(クリエイティヴィティ)という3つのフォーカスポイントから「折り紙」という解が浮上しました。

[1a] エクササイズの促進→ New Kind Of Ergonomics

(But it’s a big issue///)



[1b] 活動内容を自ら「表現」する(クリエイティヴィティ)
→Ubicomp05の論文

FlexSpace: Portable Media Habitat
Saranont Limpananont
Interactive Telecommunications Program

http://itp.nyu.edu/papers/uploads/FlexSpace_Ubicomp05.pdf


[1c] 狭い空間の有効活用→ 日本的空間(布団、ちゃぶ台)家具の入れ替えによって機能をモードチェンジする)

http://www.designtope.net/shujihou/28.htm

[2]  デジタルマテリアリティ/ 函館バープロジェクト/ フォールディング
いま、Digital Materialityということを考えていますが、これを実現するキーコンセプトは「スケーラビリティ(拡大縮小性)」「マテリアル・ダイバーシティ(素材多様性)」「リバーシビリティ(可逆性)」の3つであるということが見えてきました。「リバーシビリティ(可逆性)」を考えたとき、レゴ/GIKキットのような分解/組み立てのモジュラー方式(そしてその身体スケールへの拡張を狙った函館バープロジェクト)はひとつの解ですが、もうひとつ、折り紙/一枚の服/ロール紙のような展開/折り畳みのフォールド方式が大きな可能性としてあります。折り紙に関しては、「可能世界空間論」展で一緒だった舘智宏さんや、現在MITで講義をしているErik Demaineからも影響を受けています。



[3] 「放牧遊具」プロジェクト/ ユニバーサリティ/ 使用のランゲージ
今回の折り紙家具には、各面に回転/方向センサが取り付けられており、家具の状態(Configuration)をそのままデータとして取得し配信する予定(Pachubeを使用する予定)にしています。こうした、家具の状態(Configuration)をロギングして、そこから「使用法」のパターンを抽出して共有しようというアイディアは、実は10年ほど前にm_SITE_rと一緒に「西小山公園計画」で提案した「放牧遊具」プロジェクトに端を発しています。

「自由にレイアウトを変えられる」状態でデザインを放置(放棄)するのではなく、「どんなレイアウトが有意味なのか」を事後的にユーザの使用の中で検証しそのトライ&エラーの知識をウェブ経由で集めてみたいと考えていたのです。「使用法」のランゲージです。

ユーザに委ねるデザインとユーザから事後的に知識がフィードバックしてくるアーキテクチャを「同時に」「セットで」提案すると言うのがここでの立ち位置となります。(MITでもよく議論しますが、通常は前者=シンセシスがデザイナー、後者=アナリシッスがリサーチサイエンティストと分業されてしまいますので)。



とはいえ、今回の折り紙家具では位置情報を取得できません(GPSが使えない屋内の致命的な欠点)。しかしさまざまなConfigurationの情報を取り続けることで、逆に、面白いレイアウト・アレンジメントや使用法を開拓するトリガーにはならないかと期待しているところです。






Origami (Foldable, Movable) Furniture Ver 0.6- Fabricated

Fractal GIK modular Maker (ver.2.0)
http://web.sfc.keio.ac.jp/~htanaka/fractralGIK_fractal3.zip

これでSize/Thinknessの異なるモジュールどうしが接合できるようになりました。
(Sizeは切り込みの長さが2倍ずつになっていくことを想定しています。Thinkessは任意の値を設定できます)。

Fractal GIK modular Maker (ver.2.0)

気晴らしにBoston Science Museumに出かけたところ、Neri Oxmanの展示に出会う。


先日のゼミで大嶋君とFEMと構造解析の話をしたが、Structural Simulationによってモジュールを増減(彫塑)していくアプローチと、セルを歪めるアプローチ(細胞壁が構造体)の2種類があるように思う。近いうちに、昨年つくったStructural Simulationのプログラムをサルベージしてみよう。

http://www.materialecology.com/







Performance-Based Design, Material Ecology, Modular or Cellular?












Triangle-Modular-Lsystem-Tree

http://fab.sfc.keio.ac.jp/2010/wp-admin/post.php?action=edit&post=265

GIK Kits Modular Makerを開発したので、「厚紙」「アクリル」「板」の3つの材にそれぞれレーザーで切り出してみました。


アルミはウォータージェットで切らなければいけないので、まだです(近日作成予定)。

Multi Material GIK Kits

Modular Cloud(s)


スペインのFabLab”iAAc”が「Collaborative Cloud」と題したプロジェクトを行っていました。
「レーザーカッターをつかった造形とその3次元連結パターン」という幾何学的要素と「不特定多数が参加する」という集合知の要素がバランス良く組み合わさったプロジェクトだと思います(Processingで実装されたデザインツールもインターフェイスがよくできています)
http://www.livearchitecture.net/archives/6065

我々も去年「Modular Cloud」をスタディしており、ICC「可能世界空間論」展でも展示していたのですが、


http://biomimeticscad.wordpress.com/2010/01/01/%EF%BC%8A%E5%9E%8B%EF%BC%886%E5%88%86%E5%B2%90%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6%EF%BC%89/


今回、同じモジュールをアクリルで切ってみました(そのほうが「雲」という感じがしますよね)。

いくつか違う厚さのアクリルに切り出してみて反射率・透過率の違いをみてみました。



アセンブリスタディ(1)。4つで円になるのはアクリルでもできました(物性を利用)。


アセンブリスタディ(2)。6つで円になるこのかたちが基本形だと思います。


アセンブリスタディ(3)。そこから先が良くわからない・・・・・。規則的なかたちの発生法は去年もすごく考えた覚えがあるのですが、結局体系化したのだったかしなかったのだったか忘却・・・・。しかし実は何も考えず無意識にどんどんつないでいくのが一番「雲」に近いのかもしれません。ランダムでも無く、オーダーでも無く、アモルファスな・・・。







Modular Cloud(s)

モジュラーデザインの研究をしていると、レゴブロックとの違いを問われることがありますが、2次元(平面)→3次元(立体)→組み立て→分解・・・という一連のプロセスを扱う点であると回答できます。特にカッティングマシンを前提とすると2次元(平面)→3次元(立体)のところに工夫が必要となる。そこが面白いのです。その意味で、ピクセライズボクセライズもちょっと物足りない。やはり、今後の研究では、TransformationとかTransitionが重要になってくるのだと思われます。

下記はMITのDavid Carrが修士研究でセルフアセンブリ(自己組立)するモジュールとして開発したもの(らしい)。ダンボールですが、折り曲げてユニット化し、そのユニットを前後左右に自在につなげていくことができます。













かたちだけでなく、素材特性やスケーラビリティまで考慮にいれはじめると、実はいままで扱ってきたモジュールの世界は可能性のうちのほんの一部に過ぎなかったことが分かってきます。Wikipedia GIKキット 参照。

2D->3D->Assembles